蒸し生姜

最近少し涼しくなってきたので

患者さんによく生姜を勧めているのですが

今日ある患者さんから

「最近流行の蒸した生姜を使っているんです」

と言われました。

生姜は中医学的に分類すると主に4種類あります。

一つ目は生姜(しょうきょう)。

中医学ではこう書くと生の生姜を意味します。

これは薬局ではお出しできませんので

患者さんに自分で加えてもらう形になります。

次は干姜(かんきょう)。

日本語では乾姜となりますが、これは乾燥させた生姜のことです。

そして3つ目は煨姜(わいきょう)。

これは紙に包み湿らせた後火の中にくべて蒸し焼きにしたものです。

最後の4つ目は炮姜(ほうきょう)。

これは干姜を黒く炭化するくらいまで炒ったものです。

さて、患者さんがおっしゃった蒸し生姜というのは

3の煨姜に近いと思います。

煨姜は生姜より吐き気止めの作用が強まるとされています。

この中で温める作用が一番強いのは一般的に干姜と言われます。

煨姜のほうがより温めるというのは個人的には聞いたことがありません。

ちなみに中国では生姜と干姜はよく用いられますが

煨姜はあまり用いられないと思います。

さて、ここからさらにちょっとややこしい話をします。

(そういうのが嫌いな人は読み飛ばして下さい)

蒸し生姜は実は日本では生薬として乾姜という名前で呼ばれています。

そしてこれは保険で扱えますので、私も時々処方することがあります。

しかし、実際に使用した印象でも干姜のほうがやはり乾姜より温める

力が強いように感じます。

ですから、私としては冷え症の方には単純に干姜=乾燥生姜を

使用して欲しいと思います。

酢生姜が流行ったりいろいろありますが、

あまり流行に左右されないほうが賢明かな、と思います。

最後にクイズを一つ。

干姜は日本の生薬としてはなんと呼ばれるでしょう?
(答えは次回のブログで)












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