久しぶりの植物園見学

昨日は京都の日本新薬の植物資料館に見学に行ってきました。

日本新薬の製品には今での生薬由来の成分が含まれているものがあります。

前立腺肥大症の薬エビピロスタットはスギナエキスなどが、

尿管結石の薬ウロカルンはウラジロガシエキスが含まれています

またアズノール軟膏のアズレンももともとはカモミールから抽出していたそうです。

館長のお話ではずっと生薬を研究されてきたそうですが、

今は薬の原料になるような薬効成分はほぼ発見されつくされており

生薬の研究は中止となり、その跡地が植物資料館になったそうです。

ここには約三千種の植物が世界中から集められており、

その名も「キソウテンガイ」という珍しい植物もありました。

しかし・・・やはり私の興味は生薬になる植物です。

この生薬も予想以上にたくさんありました。taisou1.JPG

その中でいくつか生薬の花をご紹介します。

まずは大棗(ナツメ)。

大棗は甘みのある果実で

胃腸を守り元気を出す生薬

として多くの処方に

使用されています。

2枚めの写真は大棗の花です。

まだ小さいですがとても可愛いですね。taisou2.JPG

大棗はいまリンゴぐらいの大きさの

実がなるものまであるそうです。

ぜひそれをクリニックの庭に

植えてみたいです。


次は半夏です。hange1.JPG

半夏は痰を取る作用のある代表的な生薬です。

1枚目の写真の真中に見えるの

ユニークな形状をしているのが半夏の花です。

一見花には見えないのですが、

中を開けると雄しべと雌しべがあります。






hange2.JPG









それから最後は莪朮(紫ウコン)です。gajutsu1.JPG

莪朮はショウガ科で見た目も

生姜とよく似ています。

莪朮の花は根本に小さく咲いていました。

なかなか可愛らしいです。

以前同じショウガ科の姜黄(秋ウコン)gajutsu2.JPG

を育てたことがありますが、

冬を越せませんでした。

秋に一旦掘り出して

また植え直せばいいそうで

またウコンや生姜を育てて

みたいと思います。


東京の勉強会も終了しました

昨日は東京での勉強会の最終回でした。

1年前から毎月1回、基本的に日帰りだったので

それなりに大変だった部分もありましたが

無事やりとおせたので清々しい気持ちです。

東京で本格的な中医を育てたいと思ってはじめましたが

果たしてどこまで成果があったのかはまだわかりません。

受講生の方々が今後の臨床に生かしてくれることを願っています。

勉強会は無事終わりましたが、それだけでは終わりませんでした。

帰りの新幹線がトラブルで止まってしまい、

結局新大阪についたのは朝の4時半過ぎ・・・

自宅についたのが5時半で、鳥のさえずり聞きながら寝たのですが

その結果、開業以来最大の寝坊をしてしまいました。

クリニックに着いたのが9時2分で最初の患者さんには

ご迷惑をおかけしました。

この場を借りて改めてお詫びいたします。

いや〜、やっぱり東京日帰りはきついですね。

昨日1日で新幹線に10時間以上乗ったので

もう当分新幹線もいいです(笑)

東洋医学はホリスティックに診るもの

先日師匠と話をしていて

「本場中国の中医のレベルはどうなのか」

ということを聞いてみました。

師匠が言うには今の中医は西洋医学を真似た制度の中で

管理されているので中医でもそれぞれ内科や耳鼻科、眼科など

細分化されているそうです。

そのため中医専門の病院に勤務していると

日本の総合病院と同じで自分の科の患者さんしか見ないそうです。

そうなると耳鼻科なら鼻や耳、喉に効く薬を自分なりに選んで用意しておいて

大半はその薬で治療していくのだそうです。

その結果、皮肉なことに全身をホリスティックに診るべき中医が

全身を診れなくなっているのだそうです。

そのため優秀な中医の大半はそういった制度になる前の

50歳以上の先生になるとのことでした。

じゃあ、開業すればいいんじゃないの?

と思われるかもしれませんが中国で開業するのは

そう簡単にはできません。

でも最近政府が方針を変えて申請すれば誰でも開業できるように

なったそうで、これからは若い中医でもいい先生が

増えてくるだろうと言っていました。

せっかく中医になっても全身が診れないのではもったいないですよね。

”日本で漢方やっててよかった〜”と思いました。

最近、中国や台湾の中医のレベルが自分の認識と

ずれているかもしれないとの思いがあり

実際どうなのかとても関心があります。

年内に台湾に行く予定ですが、そのときに向こうの中医と

いろいろ交流してこようと思っています。

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