質問コーナー:戴陽と格陽について

Q:戴陽と格陽というのは腎陽虚が伴ってのことでしょうか?

陽虚浮陽という症状が戴陽、肝鬱化熱・陽虚が格陽と言えるのでしょうか?



A:今回の質問は専門誌に私が書いた文書に対してのものですが

この辺りの話は専門家でも十分に理解されていないことも多く難しい部分です。

一度理解できればそうでもないんですけどね。

戴陽と格陽はともに同じ病態生理から発生するのですが、原因は腎陽虚です。

ですから腎陽虚が伴う、ということではなくて通常腎陽虚なしにはあり得ません。

肝鬱化熱は関係ありません。

一般的には腎陽虚が悪化すると冷えの症状が出るだけでなく、

体内の熱のバランスが崩れて一部の部分は逆に熱を持ってくることがあります。

それが上部(首から上)に出ると戴陽とか浮陽といいます。

ちなみに浮陽という言葉には少なくなった腎陽が下から上に

昇って熱(虚熱)になっているというという病態も含まれています。

格陽という言葉は少なくなった陽が体の中心に留まれなくなり

外側に押し出されていることを意味します。

ですから症状としては顔だけでなく手足の火照りを含んでいるのが普通です。

ただ前述したようにこれらは病態生理としてはほぼ同じです。

中国人は文章にする時には同じ言葉をあまりくり返さないという習慣があり

私もそれを意識して敢えて言い回しを変えているところもあります(笑)


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